さて前回まででトップページのカスタマイズを完了し実際にお店をオープンできるところまで来ました。
前回までの状態でも店舗運営は可能ですが、少し不便だったり困る点がいくつかあります。
そこで、今回は実際の店舗運用に即して追加でインストールすることを推奨するプラグインをご紹介します。
追加インストールを推奨するプラグイン
帳票出力プラグイン
価格:無料
推奨度:★★★★★
機能:販売商品の納品書を出力できるようになります。商品を発送する際に、多くの場合納品書を同梱すると思いますが、EC-CUBE3本体機能のみの場合は納品書を出力できないため、独自で作成する必要があります。販売商品や価格を表計算ソフトに打ち込んで出力するのは手間がかかりますし、間違える危険性もあります。この帳票出力プラグインをインストールすればあっという間に納品書を出力してくれます。価格も無料ですのでインストールしておいて損はないでしょう。

売上集計プラグイン
価格:無料
推奨度:★★★☆☆
機能:管理画面のホーム画面に売上集計をグラフ表示してくれます。売上状況がビジュアル的に表示されることで直観的に状況を把握することが可能になります。無料で使えるプラグインですのでインストールしておいても良いのではないでしょうか。

配送方法設定拡張プラグイン
価格:16,200円
推奨度:★★★★☆
機能:商品一つ一つに独自の重み付を設定し、その重みに対して配送料金を指定することができるようになります。例えば木箱という商品に対して5という重み付をします。そして、配送料金は重みが5なら648円、重みが10以上15未満なら864円、15以上20未満なら1080円といった設定を行います。木箱を2個購入した場合は、この木箱に設定されている重みが5のため、5×2=10となり、10の重みの場合は864円の金額が採用されるという仕組みです。もう少し複雑な設定も可能なようですが、私はこの機能のみを使って実際にネットショップを運営していますが、今のところ不便さを感じたことはありません。
EC-CUBE本体の機能では単品商品の販売に対する配送方法(配送会社、送料等)の設定しかできません。上の木箱の例で考えると木箱に対して、個数に関係なく一つの配送料金(例えば648円)しか設定できません。従って、2個の配送なら梱包サイズが変わるため864円にしたくても、こういった設定はEC-CUBE本体の機能ではできません。そこで複数購入されても1個分の配送料で送ったりして運用をされているところが多いように感じます。配送料の差額216円(=864円-648円)は店舗負担としているわけです。商品単価が大きければこういった運用回避も可能でしょうが、商品単価が数百円の商品の場合は、この負担は受け入れがたいものがあるでしょう。
このプラグインを導入すれば上記の問題は解決しますが、難点は有料であるということです。価格は税込16,200円。高すぎるというわけではないのですが、趣味でちょっとネットショップを始めたいという方にとっては低くないハードルかもしれません。

領収書出力プラグイン
価格:3,000円
推奨度:★★★★☆
機能:領収書発行を行うことができます。納品書と同じようにA4用紙への出力となりますが、特に問題となることはないでしょう。

※自身で運営しているネットショップではそこまで領収書の依頼が多くないので、今はExcelのシートで作った領収書を使っています。いずれ販売件数が増えて、領収書発行の依頼が増えてきたらこちらのプラグインの導入を検討したいと考えています。
まとめ
今回はネットショップを運営する上でEC-CUBE3に追加を推奨するプラグインについて記載しました。紹介したプラグインの中には有償のものも存在しますが、今回紹介した機能はネットショップを運営するうえで普通に発生する運用です。始めのうちは費用を抑えるために手動で補うということも考えられますが、販売が軌道に乗ったら早いうちに投資すべき項目だと思います。
一方で、EC-CUBE自体は優れたツールであることに間違いはありませんが、EC-CUBE自体が無償で使えるツールということを謳っているのであれば、今回紹介したような機能は本来、無償で提供されても良いレベルのものだと考えています。これらの機能が有償であり続けるならば、EC-CUBEを無償で使えるということをメリットとして導入されたお客様は多くの場合、裏切られたと感じることでしょう。なぜなら、普通のネットショップの運用を回そうと思ったら有償のプラグインを導入しないといけなくなるからです。全然無償じゃないじゃんと感じられる方も少なからずおられることでしょう。今は、無償で利用できるネットショップツールは数多くリリースされています。現在EC-CUBEを使っている大手のユーザーはこれからもEC-CUBEを使ってくれる可能性は高いですが、ちょっとネットショップを初めて見たいと考えられる新規のライトユーザーは敬遠してしまうかもしれません。これからもシェア拡大を目指すのであれば、今回紹介したような基本機能は無償で使える範囲にしないと競合するサービスに優位に立つことはできないように感じます。
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